大津市では特別支援学校在学中から不登校状況の方、成人で通所施設利用や一般就労が様々な理由で困難になり在宅引きこもりになっている方、重症心身障害や行動障害等があり通所施設の利用が困難でヘルプの利用しかできない方等が増えています。そのような中で、通所施設の利用が困難な方が地域で孤立しないように、家族以外の支援者や地域の仲間とのつながりを構築するための支援が求められています。
大津市内では在宅生活になっている方の支援として、生活訓練訪問型や訪問看護やヘルパーによる自宅訪問支援、ヘルパーによる個別の外出支援の選択肢があります。生活訓練事業所の中での訪問支援は大津市立やまびこ総合支援センター内ひまわりはうすで中軽度の知的障害の方を対象に実施していますが、制度上利用期間が最大3年間と限定されている中で、通所施設に繋がることが困難なケースもあります。また、ヘルプによる支援に関しても基本は介護がメインであり、通所施設につなげるまでの支援は難しい状況です。
そのような中で、京都府の綾部市では、地域生活支援事業の中に訪問型生活介護事業を設置して、心身の障害の為に日中における通所サービスの利用が困難な方に対して日中活動の機会を生活介護事業所の職員を派遣して行う取り組みをしています。
そこで、大津市においても訪問型生活介護事業実施の検討ができないか、日中支援部会や重心及び医療的ケア児支援協議会にて意見交換を行っておきました。そして、大津市立やまびこ総合支援センター内ひまわりはうすにて訪問型生活介護モデル事業を実施することを現在検討するまでに至りました。なお、ひまわりはうすにて実施する背景には、平成30年に大津市障害者自立支援協議会にて実施した「大津市立やまびこ総合支援センター内知的障害児者地域生活支援センターを中心とした大津圏域における体制整備検討会」にて作成された提言書の中にて「知的障害及び重心の方の地域生活支援の拠点施設としてセーフティーネットとしての役割を果たす」こと及びひまわりはうすにて「引きこもりの方及び安定した通所が困難な方の訪問活動を中心とした日中支援を行う。」が明記されており、訪問型支援の役割を果たすことが地域の中で求められていることがあります。
ひまわりはうすにてモデル事業を展開する中で、大津市における訪問型生活介護事業の在り方や制度化の検討を自立支援協議会と取り組んでいきます。