軽度の知的障害等があり、こども時代に逆境体験を経験し、子ども時代は守られていた人も、18歳を過ぎると「大人だから」と言うことで、じゅうぶんな支援もなく「自己決定」をしなければならない場面に遭遇したり、失敗をしても助けてもらえる環境がなかったりと困難な状況に出会うことがあります。
また、トラウマを抱えて生きていることによる様々な困難を十分にケアできる社会資源も、今の日本にはほとんどありません。
さらに、軽度の障害があることで、傍目には「できるようにみえる」ことが、支援を受けにくくさせていることもあると思います。
障害福祉の援助技術や知識だけではこれらの困難な状況に上手に対応することができずに悩んでいるという現状を報告させていただき、今後どのように取り組んでいったらいいかについて、つながり若者センター(滋賀県地域養護推進協議会)統括コーディネーターの中島円実さんに滋賀県地域養護推進事業についてお話を頂きました。
後半は滋賀県障害者自立支援協議会の事務局長をしておる大平眞太郎さんをお招きして、「地域(自立支援)協議会の役割についての再確認」というタイトルで、滋賀県における自立支援協議会の歴史、自立支援協議会の役割、そして大津の自立支援協議会の今後についてご講演していただきました。大平さんは大津市障害者自立支援協議会が立ち上がった2006年に初代事務局として従事されており、大津市の協議会を作り上げてきた方でもあり、2006年当時にどのような思いで協議会の仕組みを作り、運営してきたかのお話も聞くことができました。
大平さんの講義のあと、短い時間ではありましたが、参加者全員で大津市の自立支援協議会の良いところや、より良くしていくために必要なことや今後検討の必要な地域課題について話し合いを行いました。