大津市障害者自立支援協議会の4/1~5/6までの部会やプロジェクトの会議をすべて中止することにしました。いま、いろいろな判断をしなければならない立場の人がいると思います。
私たちの判断が正しいのかどうかはわかりません。悩んでいる人に何かをやめることが正しいというプレッシャーをかけないようにしたいです。それぞれ、住んでいる場所も違うし、仕事の内容も違います。私たちはこの会議をすべて中止にしても、収入が減るというものではありません。生活には影響がありません。だから決断がしやすいということはあります。
滋賀県はまだ感染者は少ないのですが、やはり、他府県での障害者施設の集団感染のニュースをみて、「これを防ぎたい。」と考えました。
私たちの仕事は、テレワークはできません。障害のある人の生活は毎日続きます。「感染症が流行っているので生活をSTOPしましょう。」というわけにはいかないのです。
ヘルパーが休んだらお風呂に入れない人がいます。通所できなかったら、介護する家族の疲労は計り知れません。入所施設にいる人たちは…、そもそも暮らしの場がなくて入所した人たちです。閉所と言われても行くところがありません。
もし、施設等で集団感染が発生して、知らない防護服を着た人の治療を受けることになれば、それは重度の知的障害のある人にしたら、ものすごい恐怖です。治療の意味を理解することが難しいのです。例えたら、全く知らない宇宙服を着た人が見たこともない機械をもって近づいてくる。チューブをつながれる、注射を打たれる。そんな感じではないでしょうか?治療を受けられない可能性があります。
だからせめて、会議は減らして、職員が移動したり集まったりすることを少しでも減らすことで、感染リスクが減らせたらと思いました。私たちの会議は市内の障害福祉関係者が集まるので、もし、感染が発生したら、市内の障害者施設あちこちに広げてしまうかもしれません。会議はテレビ会議などの方法も模索していこうと思います。
かさねて言いますが、私たちは、続けなければならない障害のある人への支援を続けるために、中止にすることが可能な会議を減らすことにしました。でも私たちの収入が減るわけではありません。飲食業や、文化芸術に関する仕事をしている方、フリーランスで仕事をしている方、閉店や中止や活動自粛がそのままダイレクトに収入減につながる人たちの不安感や切迫感とは比べられないものです。地理的な条件も様々です。私たちの決めたことが他の方々へプレッシャーにならないことを願います。
いま、世界中の人が体験したことのない事態に、日々刻々と変わる状況に、「どう判断するのが正しいのか」と考え、今日一日をどう生きるのか、悩む日々です。
こうなって思うのは、私たちは、集まって、触れ合って、助け合って、言葉をかけあうことで、お互いの命をねぎらいあって生きているのだということです。
私たち福祉の仕事には「声かけ」という仕事があります。相手のかたの様子を見ながら、それに合わせて今どんなはたらきかけが必要なのかを考え、声をかける。言葉の中身、声を大きさ、声のトーン、しぐさ、距離…。すべてを考えて心を交わす大切な仕事です。その声かけですら、躊躇する気持ちがでてきそうな毎日です。
福祉の仕事じゃなくても、私たちは日々の中で、「今日はいいお天気ですね。」「少しまだ肌寒いですね。」「桜が咲きましたね」…。などなど、別に話さなくてもいいことを(不要不急の言葉を)浴びるように「声かけあって」生きています。それが、私たちの命に大切なことを私たちは知っているのです。「桜がきれいやね。」「ほんまやね。」。そうやって、お互いの気持ちを「わかちもつ」ことに私たちの命は支えられているのです。
今、それがどんどんできなくなってきていることに不安を感じながらも、また元のように「あっついなあ~」「さっむいなあ~」と当たり前のことを大声で言い合える毎日がくることを願います。
(写真は、2020.4.3石山寺の桜)