障害者自立支援協議会は、平成7年に滋賀県の甲賀圏域に設置された「障害児・者サービス調整会議」がモデルとなっています。大津市でも平成12年から地域の障害福祉に関わる様々な課題の共有と解決にむけた協議の場として「大津市障害者サービス調整会議」を設置していました。平成18年10月、障害者自立支援法によって市町村に障害者自立支援協議会の設置が義務づけられたのを機会に、その名称を「大津市障害者自立支援協議会」と改称しました。さらに名称だけでなくその機能を向上させるために、組織や事業内容の整備を進めています。
これまでは障害を持つ人の課題は個人の課題と考えられることが多くありました。しかし障害を持つ人の地域生活を充実させるためには、地域の課題を解決する必要があります。障害のあるなしにかかわらず、だれもが生活しやすい地域を作るために、地域の課題を誰かの問題とするのではなく、そこに生活する私たち一人ひとりが自分自身の問題として捉えていく必要があります。その足がかりとして、大津市障害者自立支援協議会を障害福祉にとどまらない、地域協働の場としてみんなが主体的に協議を重ねていける場にしていきたいと考えています。
大津市障害者自立支援協議会は現在各部会の代表者と関係機関が集まる定例会と自立支援協議会の運営を検討する運営委員会と18の各部会と7つのプロジェクト会議があります。部会は事業別、障害種別、地域別、差別解消、障害児支援、人材育成、相談支援と7つのカテゴリーに分けて設置をしています。
①ケース会議(随時開催)
地域の障害のある方一人ひとりが直面している生活課題を解決するために関係者が集まって開かれます。相談支援機関が調整役となり話し合われる内容に応じて、本人をはじめ様々な機関・事業所から参加者を招集します。
②相談支援連絡会(毎月1回開催)
相談支援機関が集まり、個別の相談支援では解決できない課題を集約し、検討を行います。相談支援者がより良い支援を行うための情報交換、スキルの向上を目指した学習会も行っています。
③支援部会(毎月あるいは2か月に1回開催)
支援内容ごとに関係事業所や行政機関が集まり課題を集約し、検討を行います。支援内容に応じて部会を設定しています。
④定例会議(奇数月に開催)
相談支援連絡会、各支援部会で集約された地域の福祉・保健・医療等に関わる諸課題を、大津市の課題として全ての事業所・関係機関で共有する場です。
課題について意見交換を行い、再度、相談支援連絡会や支援部会での詳細な協議を助けます。
⑤プロジェクト会議(随時開催)
各会議では詳細な協議を行いにくい課題や緊急性の高い課題の解決のために期間を定めて集中的に協議します。
⑥全体報告会(年1回開催)
年に1回、大津市民、大津市内の障害福祉関係機関、周辺機関に大津市障害者自立支援協議会の活動報告及び大津市の障害福祉の施策の紹介を行ないます。
相談支援連絡会や各支援部会からあがってきた課題は、 定例会議で報告し共有します。その後、定例会議での意見交換と、各部会等での詳細な協議を繰り返し、課題解決のための具体策を作成します。必要に応じてプロジェクト会議による協議、解決策の作成も行います。それらの具体策は定例会議で最終確認され、大津市障害者自立支援協議会からの取り組みとして既存の社会資源の連携強化を図り、新たな社会資源創造のために市や県行政施策への提案・提言につなげていきます。
自立支援協議会の事務局は大津市立やまびこ総合支援センター内大津市基幹相談調整センターに設置されています。